ジブリ映画の名作「魔女の宅急便」でジジが物語の中盤で突然言葉を発しなくなります。
見ている人の中には「何で急に話せなくなったの?」と疑問に思う人も多いはず!
ネットでは「キキが大人になったから」や「ジジが恋をしたから」など色々な推測が出ていますが真相は何なのでしょうか?
ということで「ジジが話せなくなった理由」を考察しながら監督・宮崎駿さんの見解もまとめました。
最後まで楽しんでいってくださいね♪
▼記事の内容
- ジジが話せなくなった理由4つを考察!
- 宮崎駿監督の解釈は?

【ジジが話せなくなった理由考察】1⃣キキがトンボに恋したから

まず「ジジが話せなくなった理由」で一番多く推測されているのが「キキがトンボに恋をしたから」というもの。
「恋をしたから」とドラマチックだからそうであってほしい気もしますが(笑)。
飛行クラブに所属する好奇心旺盛なトンボに、キキは他の女の子に嫉妬したり、素直になれずそっけない態度をとってしまいます。
そんな自分に悩んで寝込んでしまった後にジジと話せなくなってしまいます。
キキが恋の悩みで寝込んだ後からジジと話せなくなったのでこのような推測が出たんですね。
しかし「キキが恋をしたから」という理由は若干曖昧過ぎるような。
どこから恋をしたかって多くの場合明確ではないですよね。
【ジジが話せなくなった理由考察】2⃣キキの魔法が弱まったから

ある日キキがジジと話せないことに気づき、はっとして飛ぶことも試しますが、箒で空を飛べなくなっていることにも気づきます。
このシーンのために「ジジと話せない=キキの魔法力が弱まったから」という推測が出ました。
まるでキキが魔法でジジと話せていたと捉えがちですが、それは間違い。
キキは動物と話せるわけでもなく、ジジとも魔法で話していたわけではないんです。
何故かというとキキは「空を飛ぶ」以外の魔法は使えず、原作と同様、旅立ちの日に母親が「キキは空を飛ぶことしか覚えなかった」とも言っています。
そしてクライマックスでキキがまた飛べるようになった後も、ジジは「にゃー」としか話さないですよね。
ということでキキの魔法はジジが話すことには関係がないことが分かります。
【ジジが話せなくなった理由考察】3⃣ジジが恋をしたから

ジジが話さなくなったのは「キキが恋をしたから」と同じように「ジジが恋をしたから」ではないか?とも言われています。
キキがトンボと仲良くなっていくのと同時進行でジジは可愛らしい白猫・リリーと仲良くなっていきます。
そしていつも一緒にいたキキとジジですが、お互いの時間を持つようになりあまり一緒に行動しなくなっていきます。
ジジが「普通の猫」に恋をしたことでジジも普通の猫になってしまったんじゃないか、ということのようですね。
【ジジが話せなくなった理由考察】4⃣キキが大人になったから
かなり抽象的ですが「キキが大人になったから」という推測も理由のひとつとして噂されています。
- 箒で飛べなくなった
- トンボに恋をした
キキが悩んでいる様子を見ると、思春期真っただ中で大人になる過程をたどっているよう。
しかし思春期ということはまだ完全に大人ではなく、そもそも「大人っていつから?」ということにもなります。
しかも魔女は13歳になると修業に出るのでまだキキは13歳ということになり、成人もしていません。
監督・宮崎駿の見解:「ジジの声はキキ自身の声」
しかし今まで挙げた推測は全て監督・宮崎駿さんの見解とはズレていました!
宮崎駿「ジジの声はもともとキキ自身の声で、キキが成長したためジジの声が必要なくなった。変わったのはジジではなくキキ。」
映画公開の時に福岡のトークショーで宮崎駿さんはこう述べています。
つまり、「キキは自分の心をジジに投影していて、キキが成長し自分の心の声を実際に投影する必要がなくなったから」ということのようですね。
原作ではジジは本当に話すので、この見解は宮崎駿監督のオリジナル解釈なのではないでしょうか。
また宮崎駿監督はスタジオジブリスタジオプロデューサー・鈴木敏夫さんとも話し合ったと言います。
鈴木:話す必要がなくなったんでしょうね。僕は、あの映画をキキとジジの対話の映画じゃないかと思っているんです。つまり自分との対話。まだ自己を確立していないキキが自分になるプロセスを映画にしたんですね。
鈴木:自分が自分になれば、もうジジは話さなくなる。
ダ・ヴィンチニュース
今まではジジに自分の心の声が反映されていたけれど、「恋の悩み」など抱えるうちに知らずのうちに自分の中で自問自答していたわけです。
子供が幼い頃、人形遊びで1人2役したりするのに近いのが「キキとジジ」の関係というように映画の中では描かれているのかもしれません。
しかし、ということは「キキが恋をしたから」や「キキが大人になったから」といった推測も、
「ジジが話さなくなった=キキが心の声を投影する必要がなくなった=キキの成長」の大きな要因になっているのは間違っていなかったんですね。
終わりに
キキがジジと急に話せなくなるシーンは心が痛いですよね。
宮崎駿監督によると、しかしこの演出は「キキの成長」を分かりやすく表したものだったということが分かります。
それを踏まえてもう一度「魔女の宅急便」を見直してみたくなります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。